レフティーのケンさん(HCP15 69歳)はゴルフ歴40年の大ベテラン。トップで左脇が大きく開くフライングエルボーで、シャフトが頭側にクロスする傾向が見られました。
ケンさんが始めたころはジャックニクラウスやジョニ―ミラー、ミラーバーバーなどに代表される、アメリカン打法の全盛で、とにかくクラブを天高くつきあげるアップライトスイング(縦振り)が主流でした。ケンさんは当時のスイングを現在も忠実に実行されていました。
動画に見られるように、ゴムチューブを使用します。(豪州では緑が普通の強さ)左足と右肘に対角線に装着して、スイング中は張力を感じて左脇が開かないようにします。
右腕が地面と平行の高さまであがった時にグリップエンドが飛球線後方をさして、シャフトの傾きが左肩口5cm下を通過します。左肘はドアの内側に付いている蝶つがいのようなたたみ方をして、トップでは肘(前腕)が立って、体側のラインからはみ出ないようにします。
右足裏でゴムチューブを踏んづけている感覚があるので、右足がめくれなくなり、フィニッシュでしっかり立てるようになりました。以前は外から入ってきて右に巻くボールが目立ちましたが、コンパクトでフラットなプレーンで振れるようになって、しっかりインサイドアタックが出来ています。
余談ですが、昔からやっているかたに、いつからこんなフラットなプレーンの理論(オンプレーン)になったのって、たまに聞かれます。それは、ジャンボさんと一緒にテーラーメードのメタルウッド・金色シャフトを流行らした、カーチス・ストレンジ(85,87年賞金王で88,89年全米オープン連覇)からあたりが変換点でしょう。彼のコーチであるジミー・バラードが新アメリカン打法と称して出版したコネクションゴルフという本(スイング中脇を開かないを強調)は爆発的に売れました。
それまで、アップライトに振り上げ、ビハインドザボールで打ち、逆C型フィニッシュを取るのがお決まりだったのが、胸のラインに巻きつくようなフラットプレーンで上げて、右から左へ2軸で体重移動をして、それに伴い頭は動くのが当たり前で、フィニッシュはI字形で背部に負担をかけないバランスを考えたスイングになりました。
このスイング理論はベン・ホーガン著書のモダンスイングがベースになっていたので、ホーガンのスイングが再度注目を集め、その頃から回帰型スイング論のほうが体に負担はないし、オンプレーンに振れるということもあって、現在に至るまで定着しているわけです。