日本では素振りを日課としていた、としえさん(初心者)。最も神経を使っていたのが、トップの位置です。上げてポーズをとったら「ここよし、ここよし、ここもよし」と確認してばかり。実際打席に入っても、打つと思ったらトップで止まって、いろんなところの確認をしてしまいます。これだと、力みばかり生んでスムーズなスイングができません。
本来、上級者のやっている素振りというのは、ビュンビュンと振りまわすものでもなく、ポージングをして固まっているのでもありません。
スイングは生き物でスムーズに流れて(パワーフロー)います。まず、構えた時のソフトグリップの圧力をフィニッシュまで変えないことが大事。スイング中どこかで「ぎゅっ」と力が入ると、それまでの流れがストップしてギクシャクしてしまいます。
バックスイングのスタートは体幹(胸)、肩、腕、クラブと一斉(ワンピース)に動いて流れに乗ります。クラブの動きに同調しながら、体の捻転(バックスイング)→捻転差をキープしながら体重移動(トップからインパクト)→回転(インパクトからフィニッシュ)まで、一瞬たりとも止まらずに流暢に動き続けます。これが躍動感のある動き(ダイナミックバランス)をつくります。
としえさんには、トップスイングばかりでなく、4つの主要なポジショニング(1.バックスイング2.インパクト3.振り切る4.フィニッシュ)を意識して練習するように指導しました。ボールカゴでもバスケットボールでもいいです。アドレスでは指の腹で下から引っかけて持ち、カゴ(ボール)の重さを感じて下さい。
1. 体幹(胸)の回転と右肘のたたみを同調してあげて、右頬の横ぐらいに勝手に上がる。
2. 捻転差を変えずに、左足外側の垂線上まで左腰を移動しながら、胸の真下にカゴを戻す。
3. カゴの高さを変えずに180度回転させて、左足の上で体が真っすぐになる。
4. 左腰の横にストンッとカゴを下ろせたら、しっかり左へ振りきった証拠です。
この4つのイメージトレを1,2,3,4と数えのリズムに乗りながら動く練習をする。慣れてきたら、ソフト&スムーズに流れるようなスイングを繰り返し練習します。としえさんはこのドリルで、力の入ったオーバーワークが消え、コンパクトでスムーズなスイングが出来るようになりました。